社畜のはりきり朝ごはん

社畜なのにがんばって朝ごはん作るよ!ホントだよ!炊飯器でカレーとか作るんだよ!٩( 'ω' )و

炊飯器で煮込め!ブイヤベース!みんなの思いを乗せて10分で作るよ!

ロドリゲスは自分のことを恥じた。


ロドリゲスは山のものだ。物を知らぬ。


だからブイヤベースとはブイヤをベースに作った料理だと思っていたのだ。


だが悪いことにナターシャがそれを食べたいと言い出した。


ロドリゲスはナターシャに、つい何でもない嘘をついてしまうクセがあった。悪い癖だ。直さなければならぬ。


だがナターシャが屈託のない笑顔でそれを信じきってしまうものだから、いつもロドリゲスは本当のことをいうタイミングを失ってしまうのだ。


そしてロドリゲスはブイヤベースの作り方を知って愕然とした。


正直ベースで言えばロドリゲスはブイヤベースを食べたことはおろか見たことも無かった。スリーベースを打ったこともなければキックベースには誘われたことすら無い。ホワイトベースには乗りたかったがガンダムはまだ開発されておらず空にはボーイング777が飛んでいるばかりである。



ロドリゲスはブイヤをベースに作ったブイヤベースと、ソイヤをベースに作ったソイヤベースが本場の味だ、と力説した自分を思い出し顔が熱くなる。



ロドリゲスは自分がブイヤとソイヤで満たされるのを感じた。



ブイヤ!(ソイヤ!)ブイヤ!(ソイヤ!)ブイヤ!(ソイヤ!)←合いの手



しかしこのままではナターシャは学校でブイヤをベースに作ったブイヤベースの話をしてしまうに違いない。ナターシャは友達がたいへんに多いのだ。



…ロドリゲスは最高においしいブイヤベースを作ることを決心した。


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まずスーパーでタラとセロリ、そして冷凍のシーフード・ミックスを買ってきた。ぐっと寒くなってきてタラが旬なのだ。

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鱈の表面を小麦粉でまんべんなく覆った。この後に長時間煮込んでも旨みが抜け出さないようにコーティングするのだ。

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オリーブ・オイルを熱して包丁で潰したガーリックを炒める。

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十分に熱くなったオイルに鱈を放り込み表面を固くする。そして頃合いかな、と思ってひっくり返した頃にはタラは焦げていた。ごめんね、タラ…タラちゃん…。ごめんねタラちゃん。

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一般の方だったらここでフライパンにたまねぎなどを炒めるのであろう。だがロドリゲスは違う。彼はどんな料理でも炊飯器で作ってしまう穢れ無き魂の持ち主なのだ。立派な炊飯器中毒である。炊飯ジャー・ンキーと言い換えてもいいかもしれない。


お釜に玉葱、ジャガイモ、セロリの茎の部分、ニンジン、そしてさっき香りを出すのに炒めたガーリックも放り込んだ。

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そこに鱈をそっと乗せる。焼き色と呼ぶには色の濃すぎる模様をまとうその姿は、まるで炊飯器に舞い降りた焦げたタラのようだ。


「まるで炊飯器に舞い降りた焦げたタラのようだ」


ロドリゲスは感涙でむせび泣いた。そこで換気扇を回すことに気づいた。キッチンはニンニクの煙で充満していたのだ。

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そこへシーフード・ミックスの合流である。殻付きの貝、皮をむく前のエビを使ったレシピも良いが、オトコ料理にシャレオツは無用。だいたいどんなにシャレオツぶったところで食べるのは自分である。スプーンですくって何も考えずに食べることができるのもそれはそれでなかなかオツなものだ。乙!めんどくさがり乙!

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そんなロドリゲスにもひとつ自慢の食材がある。家庭菜園からローズマリーの枝を一本はさみで切って葉っぱをむしって入れる。とても香ばしい。


枝を入れるかどうかは少し迷ったが、ヨーロッパでは暖炉にくべて部屋に良い香りが漂う、といった話を思い出した彼は試しにコンロにかけて直火で焼いてみた。直後、換気扇を強にすることになった。彼は頭が少し弱いのだ。いや、正直ベース、火事になるかと思った。

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最後に仕上げのトマト缶。丸々1缶をどばどばと注ぎ込む。そこへ追加のオリーブ・オイル、クレイジー・ソルト、余った白ワインを入れて味を整える。ふふふ、イタリアンな味付けにわくわくするね。エスパニョーレ!


レシピには30分煮込む、なんて書いていたのでここで炊飯器を7:30にセットした。これで炊飯器は米が入ってると思い込んで加熱を始めるのだ。馬鹿なやつよ。でも、そんなところも、好きよ。


これで起きたらおいしいおいしいブイヤベースができているに違いない。ふっふっふ…(後半へ続く)




次号予告!
ロドリゲスとは何物なのか!ナターシャとの関係はなんなのか!ブイヤベースはおいしくできているのか!様々な思いが交錯し、炊飯器はついに保温へと向かう……!!!(´・ω・`)


編集後記:
初めての宇宙を舞台としたSFものでしたが楽しんで書くことが出来ました。自分が恥ずかしいです。