社畜のはりきり朝ごはん

社畜なのにがんばって朝ごはん作るよ!ホントだよ!炊飯器でカレーとか作るんだよ!٩( 'ω' )و

夏の朝とプールとイカとチンゲン菜と豚肉のあんかけ炒めのお話

気がつくと梅雨の季節に嫌気が差す前に雨は上がっていて、空には額縁に入れたくなるほど立派な入道雲が浮かんでいた。



夏が来たのだ。



ぼくはつけっぱなしにしていた扇風機を消した。時計を見ると6時54分を指している。後60秒経つとアラームが鳴るのだろう。



半ば機械的に海水パンツに着替えて家を出た。毎日通っているプールまでゆっくり歩いて5分。汗ばんだTシャツはそのままに水泳帽とゴーグルが入ったビニイルパックだけを肩に持ってドアを開けた。



まだ7時前とは思えない日差しが眩しくて空を見上げることが出来ない。今年は何があるんだろうか。なにせ、ぼくにとって27歳の夏は初めてなのだ。



夏が、来たのだ!



25メートルプールをきっかり10回だけ往復して水から上がる。柔軟体操をしてシャワーを浴びたときには意識はとてもクリアに澄み渡る。冴えた意識はいつものあの違和感を感じて脳に伝える。



腹が減った。



Tシャツを洗濯カゴに放り込み、今日の食材を台所に広げる。


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バラと「釜ゆで」やりいかは半額だった。もやしもまいたけもチンゲン菜も、どれも数十円で購入した。今日はこの具材を全て使ってこざっぱりした炒めものができるだろう。




何度か包丁を通しただけでフライパンにいかと豚バラ肉を放り込む。ぷりぷりしたイカの水分が、じうじうと油に弾けて裸な肌に熱い。


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油が全体に馴染んで豚バラ肉がきつね色に色づき始めたら頃合いだ。


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一枚一枚くるりとむくように手でちぎったチンゲン菜を合計3束。ここでイカとブタに火が通り過ぎないようにチンゲン菜の上に乗せるように箸でかき回す。額から止まらない汗のしずくをタオルでぬぐう。


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今日はマイタケが安かったのでさくさくとした歯ごたえが楽しみだ。手でぱきぱきと割ったマイタケをチンゲン菜の上にさらに放り込む。


フライパンはいよいよ満杯だ。野菜がはみ出ないように慎重に手早く底面にある具材の位置を入れ替え続ける。このときが、この日一日で最も集中していた瞬間となった。


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蒸気を発しながら何かの記念碑みたいにもやしの塔がそそり立った。


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味付けに日本酒、みりん、塩コショウ、醤油、オイスターソース、中華風味の素、少しの味噌。色どりがとても美しい。イカもまた、他の色に染まらない個性の強い具材だ。


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最後に水溶き片栗粉をざっとかけまわして完成。とろみがついた「あん」がぶくぶくと泡を作った。


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昨日のあさりとブロッコリーのペペロンチーノを温めて添えてあげれば、炊きたての雑穀米と併せて今朝の朝食が完成した。タイムは15分といったところだろうか。実質1品しか作っていないので少し遅い。


はやる気持ちを抑えながら水を注ぎ、箸をきれいに揃えて、「いただきます」


オイスターソースの焦げる匂いにそそられてさっそくあんにまみれたイカとチンゲン菜にかぶりついた。



…うん!




うんうん!



これはね!!!!



「イカの骨取り忘れた!!\(^o^)/」




ちょっと男子ー!これイカ全部くにゃくにゃした固いセロハンテープ入ってんじゃないのーもーちょっとー男子ー!ヽ(^o^)丿




一口ほうばるじゃん!?かみ切れないじゃん!?でも噛むじゃん!?飲み込めないじゃん!!\(^o^)/それ全部のイカで繰り返すじゃん!?これがホントのイカ同文ってやかましいわ!







イカだって生きているんだ骨があるんだ!友達なんだヽ(^o^)丿



それを単に包丁で切っただけで炒めるなんて、全国の凄腕主婦からせせら笑われること請け合い!イカの胴を切っただけで炒めるなんて…これがホントのイカ胴分ってやかましいわ!


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うまそうに見えるだろ…?これ、全部骨入ってるんだぜ…?



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ダメなんだ。写真の角度を変えてみても、骨は消えないから。過去は変えられないから。


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遠目に写真を撮ってもダメなんだ。どのイカにも骨が入っているんだ。何重にもなったセロハンテープがぼくを苦しめるんだ。もういい。もう、いいんだ。



これ世の中の素人料理人たちはみんな一度失敗して学習していくんでしょうか。それとも「え?中二のとき家庭科の第3単元で習ったじゃん?」とか言うんでしょうか。僕も厨二病なんてかかってないで家庭科勉強しとけばよかったヽ(^o^)丿

もはやイカんともしがたい!






…だが立ち直る!




もうこれで二度と失敗しないと決めたのだわたしは!




もう二度と、イカを骨ごと料理することは無いだろう!



食べながら何度も何度も何度も歯の間から引っ張りだしたイカの骨が!もう嫌んなって飲み込んで胃の中に送り込まれたイカの骨が!


僕を、いや、私の人生を新たな高みにひっぱり上げてくれたのだ!今はイカの骨に全力で感謝したい!


もう一度言わせてくれ!



もう二度と、イカの骨を忘れることはないだろう!



俺のイカ同文はここまでだ!



次に同じ事をしたらイカしちゃおかねえぞ!なんつってな!ひゅーイカしてるぅ!もうこんくらいでいイカな!いイカげんにして!




イカだって生きているんだ骨があるんだでんっ!でんっでんぐりかえってばいっ!ばいっ!ばいっ!ヽ(^o^)丿




はいあがろう。



イカの骨を食べたことがあるというのが、いつか大きな財産になる。


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