むかあーしーむかーしー、おじーさんがー、やまへーしばーかりーにー、おばーさんがー、かわへーせんーたくーにー、ももーたろーうがーしまへー鬼ー狩りーにーいってからーせんーねんーごー、
とうきょうのーこんっ、くりーとー、じゃんーぐるーにー、
それはーそれはーはたらきーものーのー、
たっしゃなー、
かいっ、しゃーいんーがー、
おったーそうーなー、
「わしゃーはたーらきーものーじゃー」
しゃちーくーはー、それはー、それーはーくいーしんぼうーでー、たったーひとーつのー、たのーしみーはー、
すぬーうずーをー、すーるーことーじゃったーそうーなー、
だいーたーいーほかーのー、じかーんーはー、しんーだーさかーなのーめーをーしてーいるーくさったーみかんじゃったー
「なにーをーしつーれいーなーこなーくそー」
そんーなー、すぬうず寝たろうーじゃったーがー、
なつーのーあつぅううーいーさかーりにー、いつーものーようーにー、しちーじにーおきーようーとー、かみーさまーにーつよくーおねがいーをーしてーおきーたらー、まだーちとばかしー寝れーるー時間ーじゃったー
「こりゃーおめーすぬうずじゃー、すぬうずのーじかんーじゃー」
そのーときーじゃっ、 たー、
「こりゃーおめーすぬうず寝たろうどんー!」
しゃちーくのーあたーまにー、
びっくりーたまーげるーほどーでかいーおにーが立っていたのーじゃー
「なんじゃーこりゃあー鬼がーわしーのへーやにー出おったー」
「おめーまたーすぬうずーしおってーあさーめしーをーさぼーるきかー」
「さぼーりゃーせんてーおにどんーわしゃーすぬうずーがー好きでーすぬうずーのーためーにーいきとるんじゃーすぬうず」
「おめーしかしーよくーかんがえてーみーやーゆうべはーなんじにーとこ入ったーかー」
「そんなのーしれとるーじゃーめしーをーくってー…!!!!」
「やだ…あたしったら…9時間半は寝てるじゃない…!!!」
「おめー10時間すぬうず寝たろうしてーなにーをーかいふくーするーきじゃー」
「いやじゃい、いやじゃいー、すぬうずするんじゃー、すぬうずじたいがー目的ーなんじゃー」
「おーじょー際のーわるーいーおとこーじゃー、そしーたらーそうじゃーのうー、職場にーブログのことーをーばらーすぞー」
「そ…それだけは…ダメッ!ゼッタイ…ダメッ!」
「おしーごとーでー、大ポカーしたー日にー、今日は天ぷら☆とかー書けるんかーおめーはー?」
「書けない…!それを読まれた日にゃあ、恥ずかしくて書きたいことも書けないこんな世の中じゃ…あれよあれ!あのーあれ!ポイズンピル条項!」
「わかったらーはよーつくーらんかいー」
寝太郎には勤務規定はわからぬ。寝太郎は会社の家畜である。打刻をし、エクセルと遊んで暮して来た。けれども職場の雰囲気に対しては、人一倍に敏感であった。
寝太郎はすぬうずを諦めた。必ず、かの腐りかけのあれを使わなければならぬと決意した。おもむろに半額のあさりのむき身とブロッコリーを取り出した。
ブロッコリーを小房に切る。「呆きれた野菜だ。生かして置けぬ。」
ラップをかけて、寝太郎はブロッコリをチンした。「さては、下茹でをサボって栄養も逃さないつもりだな。」
オリーブオイルでたかのつめとニンニクを炒めて良い香りを出した。
そこにあさりのむき身である。こんなにたくさん入って半額の95円。腐りかけていたのだ。
そこにブロッコリーを放り込む。じうじうと弾けるオリーブオイル。
白ワインを注ぎしばしフタをした。これでほんの少しの時間蒸らす。
味付けは白ワインと少しの醤油、そして塩コショウだった。それだけで十分だった。今日はあさりの、ペペロンチーノなのだ。
完成だ。添えてあるのは雑穀米のお茶碗カレーだ。カレーのルーが足りなかったのだからしようが無い。
長いこと食べてきたカレーともこれでおさらばだった。
「どうじゃー鬼ーどんー、これでー満足ーじゃろうがー」
「その声が、聞きたかった。」
…!寝太郎ははっと目を覚ました。今のは全て夢だったのだ。とけいを見ると八時を指している。
アラームを突破してる!
5分以内に家を出れば間に合うと踏んだ寝太郎は後ろも見ずに走りだした。
そうだ、朝ごはんなんて作っていなかったのだ。
全ては夢だったのだ。
料理して欲しかったあさりが、腐りかけのあさりが、最後の力を振り絞って、寝太郎にサインを出していたのだった。
路行く人を押しのけ、跳はねとばし、寝太郎は黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴けとばし、小川を飛び越え、少しずつ登ってゆく太陽の、十倍も早く走った。
今日は帰ったらあさりとブロッコリのペペロンチーノを作ろう。
寝太郎は決意した。
腐りかけのカレールーも全部食べてしまおう。ご飯が足りなかったらお茶碗カレーにしてしまおう。
枕元には鬼どんではなく、少し前のレシートが一片、使用済みのティッシュのように風に転がっていた。
~Fin~
くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、「メロスは激おこぷんぷん丸した。」を使いたかったのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りの日本昔ばなしネタで挑んでみた所存ですw
では、
俺「皆さんありがとうございました!」